~サッカーで考える子どもに育てる11の魔法~
サッカーの指導者である池上正氏の著書。
私はサッカーをしていませんでしたが、それは関係なく、普段の子育てに参考になる点が多かったです。
基本的な内容
題名の通り、
「大人が離れて、子供自身が考えはじめたときこそ、本当に成長する」
ということが書かれています。
厳しすぎる指導の弊害
・常にコーチの顔色を伺う
・新しいことにトライしない(言われたことしかしない)
・ミスを怖がる
・ミスした仲間に厳しい態度をとる
・楽しくない
私も小さいときの習い事で、同じような経験がありました。
怒られないことが目的となり、それ以外は二の次だったように思います。
大人が離れるという意味
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「できない」と言う子供がいた場合
「ちょっと上に投げてみたら?」
=難易度を下げた内容を、実際にやって見せ、提案する
他の子と比べて「できない」という場合
「できないかもね。でも他の子も何回もやったからできたかもよ。やってみたら?」
=気持ちを受け止めつつ、他の子ができた理由を伝え、提案する
ドリブルはできるけど、シュートができない場合
ドリブルを褒め、シュートをもう一回やってみる?と提案する
=できることを褒めて、できないことに対する自発的な挑戦を促す
―――
大人が具体的な指示や行動をさせているわけではなく、「できる、できない」「やる。やらない」自体は、あなた次第だよという指導の仕方。
そのため、子供がしなくても、何も言わないわけですね。
「やるか、やらないか」の小さな判断を子供にさせていくことが、その後の成長に重要だと書かれています。
そしてこれは、子供にとって厳しいことだとも。
大人が答えを教えてくれないので、自分で考える必要があり、決して甘やかしているわけではないと。
対称的な言葉として、「絶対できる」「頑張って10回やろう」「こんな風にやればできるよ」などがあり、私も言いがちな言葉です。
実はこっちのほうが子供を甘やかしていることになるそうです。
興味深かったこと
「ジュニア時代に全国大会を目指さないクラブが増えている」
サッカーのように勝ち負けが強く反映されそうなスポーツで、私には意外でした。
「全員にプレーさせたい」「チーム全体を底上げしたい」「一人一人の個性を伸ばしたい」など、サッカーの楽しさに重きをおくクラブが増えているそうです。
ブラジルや欧州でも、ジュニアのトーナメント方式の全国大会は無いらしく、その理由が、クリエイティブな選手が生まれなかったからだそうです。
チームが全国優勝を目指すと、勝つための指導となり、上手な固定メンバーのみが試合に出てることになります。
子供の自由な発想を奪い、チーム全体の底上げにはなりにくいという認識があるんですね。
まとめ
サッカーという具体的なものを通して書かれているので、非常に分かりやすいです。
子供から離れるけど、それは決して放置ではなく、適切なタイミングで、適切に声をかけること…
1-2回読んだだけでは私の身にはなっておらず、今後も何度も読みながら、自分に落とし込んでいきます。
子供の将来を願うばかりか、良くない(とされる)親の像もたくさん書かれていました。
私も気をつけなければと思っています。