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「サルの子育て」を参考にする

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ヒトも動物なので、サルなどの近縁種の子育ては、参考になるのではないかと考えました。

現代の社会変化によって、ヒトでは行っていない育児法が、サルでも見ることができたら興味深いなと。

「サルの子育て ヒトの子育て」

という本を読んでみました。

本の要約ではなく、自分の子育てに参考になった点をまとめておきます。

目次

サルの分類

霊長類は、共通の祖先から「サルの系統」と「類人猿の共通祖先の系統」に分かれます。

「サルの系統」では、ニホンザルなど樹上で生活するいわゆるサル。

「類人猿の共通の祖先の系統」では、最初にオラウータン、ゴリラと枝分かれし、最後にチンパンジー、ヒトが枝分かれしたといわれているそうです。

地球誕生を46億年とすると、

ヒトとチンパンジーが枝分かれしたのは、12月31日の大晦日くらいなので、両種に共通点は多く、参考になることも多いです。

母のぬくもり実験

興味深かった研究の1つが、心理学者のハーロー氏のアカゲザル(ニホンザルの近縁)を用いた実験です。

生まれたばかりの子ザルを母ザルから離し、哺乳瓶が付いた2種類の人工の代理母で育てます。

① 固い金網で作れた「金網の母」
② 柔らかい布で作られた「布の母」

すると、子ザルは「布の母」でミルクを飲み、不安なことが起きると「布の母」のほうにしがみつきます。

これは布の柔らかさや暖かみに、不安を取り除いたり、安心感などを求めている行動なんだそうです。

生まれたばかりでも、本能的に子ザルは「母のぬくもり」を求めるんですね。

ヒトも同じだなと思って。

実は母が子を抱き、子が母にしがみつく動物は霊長類だけらしく、心理的な母子の結びつきがあるようです。

子育て経験は継承される

ニホンザルの子育てには、密着型や放任型など、サルによって子ザルとの接触時間に差があります。

興味深かったのは、それが娘のサルにも継承されることです。

密着時間が長く育てられた娘ザルは、親になったときに、同じように密着型の子育てをします。

注意点は、食料などが十分に与えられている飼育環境下の話なので、実際の社会環境の変化下で、同じようになるかは分かりません。

ヒト社会なら、この10年で環境は大きく変わっていますし。

ただ、私自身も親にしてもらった子育てを、同じように子供にしているのは感じていて、それが良い部分と変えたほうがいい部分があると思っています。

本を読んだり、他の人の話を聞いたり、深く考えたり…必要だと改めて考えさせられました。

適切な社会経験が必要

飼育下のサルのなかには、交尾や子育てをしない(育児放棄)場合があります。

幼児期にサル社会から離され、人間のみに育てられると、起こるそうです。

しかも適切なタイミングでサル社会に戻すと、子育てをするそうです。

ここの例は少し極端ではありますが、社会(集団)の中で成長することは重要で、一般的?な大人になるために必要な経験と考えられます。

集団に入ると、子供同士のいざこざや、親同士の揉め事が起きることもありますが、

そこを踏まえても色んな経験をさせたほうが良いんだろうと思いました。

父ザルの子育て参加

サルの種によって、集団の中に大人のオスとメルが一頭ずつなのかで、単独、一夫一妻、単雄複雌、複雄複雌の4つの社会があります。

この違いで、オスの子育てへの参加傾向が変わることが前提です。

(複雄複雌では、オスは自分の実子を見分けることはできていないとされています)

・子ザルの運搬
・子の遊び相手
・集団の防衛(敵や捕食者など)
・特定の1頭のみケア
 …など

種によって育児参加の方法は違うものの、父ザルの役割は、子の生存に直接かかわることや、子の社会発達の支援があるようです。

現代のヒト社会における男性参加の育児とは少し異なり、母親が基本の育児を行い、父がそれをフォローするスタイルですね。

野生動物では種の生存が最大の目的なので、ある程度生存が約束されている現代の日本社会とは違うように感じました。

まとめ

ヒトもサルも同じ仲間だと思っているので、育児法は参考にできることが多いです。

・幼児期には愛着が必要
・子育ては継承される
・社会経験は必要
・父にも役割がある

拡大家族から核家族への変化、女性の社会進出など、ヒトにおける社会環境は、大きく変わってきています。

変えたほうが良い事と継承したほうが良いことを、自分なりに考えながら子育てを行ったほうがいいのかと思いました。

子育てに関係なく、とても面白い本でした。

「サルの子育て ヒトの子育て」

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